ホームページを作り直すとき、見た目より先に決めること
会社のホームページを作り直したい、というご相談をいただくとき、多くの場合「見た目が古い」が入口になります。ただ、見た目を新しくするだけでは、作り直したあとに何も変わらないことがあります。littechがデザインの話に入る前に必ず確認していることを書いておきます。
誰に、何をしてほしいのか
会社のサイトを見に来る人は、一種類ではありません。取引を検討している会社の担当者、求人を探している人、すでに取引がある会社の事務の方。それぞれ、探しているものも、してほしい行動も違います。全員に向けて書こうとすると、誰にも刺さらない文章になります。
「今回のサイトは、主に誰に向けて、何をしてもらうためのものか」。ここを1つに絞ると、載せるべき情報と、載せなくていい情報がはっきりします。採用の応募がほしいのであれば、事業の説明より、働いている人の話と仕事の中身を厚くするべきです。
いま、どこから人が来ているか
作り直す前に、いまのサイトに誰がどこから来ているかを見ます。アクセス解析が入っていなければ、まず入れます。検索から来ているのか、名刺を見て直接入力して来ているのか、それとも誰も来ていないのか。ここで、やるべきことが変わります。
検索から人が来ていないのであれば、見た目を新しくしても訪問者は増えません。検索で見つけてもらうための中身——何を扱っている会社で、どこにあって、どんな仕事をしてきたか——を、文章として載せる必要があります。
公開したあと、誰が更新するのか
これを決めずに作ると、公開した時点で情報が止まります。数年後に「また古くなった」となる原因は、たいていここです。自社で更新するのか、こちらで代行するのか。自社で更新するなら、どこまでを触れるようにしておくのか。作る前に決めておけば、それに合わせた作りにできます。
littechでは、公開後の更新・改善もそのまま引き受けています。「少し直したい」のたびに見積もりを取るのは、お互いに面倒だからです。
速さとスマートフォンは、あとから足せない
表示の速さとスマートフォンでの見やすさは、作り終わってから改善しようとすると大掛かりになります。最初から前提として組み込むものです。検索順位の評価にも、表示の速さと、画面がガタつかないことが入っています。
このサイト自体も、写真や動きを載せつつ、読み込むものの量を抑える作りにしています。見た目のために遅くなるのでは、本末転倒だからです。
作り直す前に確かめておきたい「住所」と「契約」
作り直しで意外につまずくのが、ドメイン(サイトの住所。「〇〇.co.jp」などの部分)と、サーバー(サイトを置いている場所)の契約です。どこの会社と契約していて、誰の名義になっていて、管理画面に入るための情報を誰が持っているか。これが分からないまま作り直しを始めると、新しいサイトを公開する段階で止まってしまいます。
以前の制作会社が契約をまとめて持っていて、自社では中身を把握していない、ということはよくあります。会社のメールアドレスが同じドメインで動いている場合は、サイトだけでなくメールにも関わるので、なおさら慎重に扱う必要があります。契約時の書類や、毎年届く更新の請求書が手元にあれば、そこからたどれます。
あわせて、ロゴの元データ、いま載せている写真の元データ、会社案内のパンフレットなど、原稿の材料になるものを集めておくと、話が早く進みます。
費用が変わるところ
ホームページの制作費は、ページ数だけで決まるものではありません。差が出やすいのは次のようなところです。
原稿と写真を誰が用意するか。文章をこちらで起こすのか、撮影から頼むのかで、作業の量は大きく変わります。お問い合わせフォームのほかに、採用の応募受付や予約など、仕組みを持たせるかどうか。公開後に自社で更新できる形にするかどうか。英語など、日本語以外のページを持つかどうか。
そして、作るための費用とは別に、ドメインとサーバーの利用料は毎年・毎月かかり続けます。公開後の更新や改善を外に頼むなら、その費用もあります。見積もりを比べるときは、作る費用と持ち続ける費用を分けて見ておくと、あとで「こんなにかかると思わなかった」を防げます。littechで引き受けているWebサイト制作の範囲は、事業内容のページにまとめています。
作り直しで起きやすい失敗
よくあるのが、ページの住所(URL)が変わって、検索からの訪問が落ちることです。作り直しでページの構成を変えると、古い住所のページは無くなります。検索結果に出ていた古いページや、他のサイトから貼られていたリンクは、そのままだと「ページが見つかりません」に行き着きます。古い住所から新しい住所へ自動で案内する設定(転送)を、公開と同時に入れておく必要があります。
お問い合わせフォームの送り先が、以前の担当者のメールアドレスのままになっていた、ということも起こります。公開したら、実際に一度フォームから送ってみて、届くことを確かめます。問い合わせが増えてからの返信の手間は、AIで下書きを作る形で軽くできることもあります。その考え方は「AIで自動化を始めるなら、どこから手をつけるか」に書きました。
もう一つは、所在地と対応している地域を、文章としてはっきり書いておくことです。地元のお客様からは、「札幌 工務店」のように地名と業種を組み合わせて探されることがよくあります。住所や対応地域が画像の中や地図だけにあると、検索には伝わりにくくなります。札幌市内だけなのか、道内のどこまで対応するのかまで書いておくと、見た人も問い合わせてよいかを判断しやすくなります。
相談の段階から一緒に考えます
ここまで書いたことが決まっていなくても構いません。「何を載せればいいか分からない」という状態からのご相談が多いです。いまのサイトと、困っていることを教えていただければ、整理するところから始められます。